これからお墓をつくる方へ⑤
(全優石「これからお墓をつくる方へ」より抜粋)
前回の記事 ・これからお墓をつくる方へ④ [墓地の種類] [墓石の型]
Part2 お墓の種類と付属品
[お墓の構造と付属品]
①カロート
語源は「カラウド」(唐櫃)で、それがなまってカロートとなったといわれています。意味は「死者を葬る棺」のことで、現在では納骨堂のことを指します。カロートはお墓と一体になっているもので、カロートがないお墓はありません。カロートの形式は、地上にあるもの(おかカロート)、半地下式、それに地下式の三種があります。周囲の状況や土質、墓地の広さなどによってカロートの形式が決まります。
↑丘カロート(左)と、地下カロート(右)
②外柵
お墓を中心としてそのまわりに外柵があります。家の塀と同じような意味ですが、墓地の場合、土地の登記がありませんので、長い年月の間に、隣との境がハッキリしなくなり承継のときに困るという問題が生じます。これをふせぐ意味からも外柵を設ける必要が生じます。もちろん外柵の有無は墓地形式や広さによってもきまります。近年はこの外柵も背の低いものが多くなりました。
③植栽
植栽は墓地の落ち着いた環境をつくる上で重要な役割を持っています。また植物は土の乾燥をふせぐ面でも役立ちます。しかし植物なら何でもいいかと言うと、そうではありません。あまり根のはる樹木はさけるべきでしょう。植物としては年中緑をもつもの、たとえば松、玉ヒバ、サツキ、モミジの木などが好まれます。その土地土地に合ったものを選んだり、また故人の好きだったものを植えるのも意味のあることと思います。
④墓誌(戒名誌)
従来、亡くなった人の戒名は、お墓のサオの側面に刻まれてきました。しかし代々墓の場合、その戒名の数が多くなり、全部をサオに刻むことができなくなってきます。そこで墓石とは別に板状のものを敷地の中に建て、それに戒名を刻むという習慣が広まってきました。こうすると後日戒名を新たに刻む場合も取り扱いが便利で、お墓全体のバランスの上からもみばえがします。この板状の碑を墓誌または戒名誌といいます。