2016年1月14日 木曜日 晴れ
こんにちは。埼玉県上尾市に本社を置き、埼玉県だけでなく東京、神奈川、千葉、群馬、静岡にて霊園と墓地をご紹介、ご案内し、墓石の製造加工と墓所への据付施工工事という「お墓づくりのお手伝い」をしております石材店の株式会社大塚のブログ「霊園とお墓のはなし」です。
お墓をお考えの方が気になる部分というと、場所、費用、跡継ぎが必要かどうかなどいくつかあると思いますが、今日は費用についてちょっとお話ししてみます。
お墓にかかる予算には、大まかに二つの予算があります。
一つは永代使用料(墓地使用料)と呼ばれるもので、いわゆる「土地代」にあたります。土地代ですので、都市部の街中にあるのか、はたまた郊外の自然環境豊かな場所にあるのかによって大きく差が出てきます。東京都心の土地代と、地方の土地代の差と考えてもよいでしょう。この永代使用料という言葉は「永代」という文字があるため、永遠に、永久に、と捉えられがちですが、これは「永代にわたっての墓地として使用許可を得るための費用」という意味ですので、近年のような少子高齢化などの状況から「代が途絶える」という心配もあったりなどもしますので「墓地使用料」という言葉を使用している霊園や墓地も増えてきました。言葉は違いますが、意味はほぼ一緒です。「永久に」と勘違いしてしまうことを考えると、単に「墓地使用料」と考えた方が安全かもしれませんね。
さてこの永代使用料(墓地使用料)、これはそれぞれの墓地の経営主体に支払います。経営主体がお寺ならお寺に、公営霊園なら都や市などの行政に、財団法人なら財団法人に、ということになります。土地の話ですので、土地を所有している経営主体に使用料を支払うと考えると分かりやすいかと思います。
ただし、永代使用料は賃貸の家賃とは違います。お墓をお求めの際に、一番最初に支払うとその後は支払うシーンは出てきません。何せ「永代にわたって使用する権利を得るための費用」です。最初に一括払いで済んでしまいます。
この考え方は、何も土地付きのお墓だけではなく、場合によっては永代供養墓での「永代供養料」や、立体型納骨堂などでの「永代供養料」「墓所使用料」も近い意味合いを持つ場合も多いです。ただし、永代供養墓や樹木葬墓地、納骨堂などの場合はそれぞれ独自の予算プランを用意しているケースも多いので、必ず同じというわけではありません。むしろ多岐にわたっていると思います。
これは、土地のある従来型のお墓についての予算の考え方は長い歴史があるため全国的にも考え方の統一が出来ているのに対し、永代供養墓や納骨堂は土地がないためそれぞれの宗教法人独自の考え方に基づくことが多いということと、土地付きの場合は寺院や都営霊園などの費用プランが参考となったため考え方の統一化がなされやすかったということと、永代供養墓や納骨堂は特に近年の少子高齢化の波によってずいぶんと数がここ数年で増えてきており現在の時代のニーズに合わせたプランがいくつも生まれてきているということが言えると思います。
また、ご注意いただきたいのは、一度墓地を契約して永代使用料を支払うと、予算の返金はその後できないということ。敷金礼金とは違います。使用権を購入したわけですので、墓地を移転させたり、やっぱり墓を建てるのをやめる、となっても永代使用料のお墓は戻っては来ません。遊園地の入場券や映画のチケットになぞらえて考えてみると分かりやすいでしょうか。遊園地の入場券を買い、入口から入園したものの結局アトラクションには何も乗らなかったとして「ただ遊園地に入っただけ、もう出るから入場料返して」といって返してもらえるでしょうか。映画も同じでしょう。映画の途中で出たとしても、映画のチケットの返金はできません。それと同じことです。※このあたりのことについては、契約時にそれぞれ使用規則などが定められており、必ず明記してあると思いますので、必ずご確認ください。
いずれにしましても、立地によって数百万円~数万円と大きな開きのある永代使用料(墓地使用料)、自分が求めたいお墓はどこなのかによって大きな差が出てきます。たいした距離が離れていないような二か所の墓地があったとして、この土地代に差があったとしても変なことではありません。実際の不動産の土地価格にも差はありますし、また価格設定をしたのがいつなのかによっても違いは出てくるでしょう。30年前のバブル期の価格と今とでは大きく違いがある、そんなこともあるかと思いますし、たった数年の差でも墓地の人気具合、販売サイドの販売計画によってあえて差をつけるケースもあるかもしれません。
さらに、墓地のまつわる土地代の永代使用料は、それぞれ墓地の土地面積によっても大きく違いがあります。これは不動産と同じで、当然大きな区画は高い費用がかかり、小さな区画は低い費用に抑えられます。近年では小さい区画が人気の場合が多いのですが、それでも昔ながらの立派なお墓を求めるという方も少なくはありません。ただ、跡継ぎの問題や核家族化の問題からあまり大きなお墓を選ばない方が増えているのは事実です。
さて、以上永代使用料(墓地使用料)について書いてみました。書き足りない部分は少しあるのですがおおまかにはこのような考え方の予算になります。
お墓にまつわる予算としては、あとは墓石工事代や年間管理料などもありますので、また別の機会にご説明してみたいと思います。